2024 04,26 11:33 |
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2009 03,31 16:48 |
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こちらのブログページ、約2年間に渡りほったらかし状態でした…。
こちらのサーバー(忍者ブログさん)での更新は約半年のみでしたね。 ごめんなさい。 2006年末~2009年3月までの近況報告は、日々「BBS掲示板」にてカキコんできました。 日々様々な気持ちを綴ってきました。是非、そちらをご覧ください。 そしてこの度!2009年4月より、 ブログをリニューアルいたします! 2004年の誕生日より綴ってきましたブログ、バージョンアップします! (2004年~2006年の6月まで書き続けた最初のブログサーバー“ヤプース!”は会社の都合で全ページが削除されてしまいました…泣泣泣…。どなたかプリントアウトなどしている方がいらっしゃいましたら是非、ジョウズグループまでご一報を!) 新しいブログのアドレスはこちら↓ http://ameblo.jp/jotaira/ ページは既にございますが、更新は今しばらくお待ちください。 ひき続き、公式ホームページもお楽しみください。URLはこちら↓ http://tairajo.com これまでにないマメマメな更新を目標に頑張ります。 お楽しみに~! PR |
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2006 12,20 20:32 |
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今年も残すところあと2週間ですね。
もうすぐ、 「てるてるジョウくん」がデビューします。 ●15(金) 丸一日かけて「0、1、2才のための人形劇場」の構成を決める。 悩んだ甲斐あって良い構成が出来上がった! 可愛らしい動物のギニョール(片手遣い人形)を用いた作品を…と思っていたが、私にしか出来ない舞台をつくりたい。0、1、2才にこそ、芸術的でダイナミックな舞台を提供したい。 悩んだこと悩んだこと…。 とは言え、流石にこれ以上内容の決定を待ってもらうわけにはいかなかった。 事務所スタッフにも朝から相談を持ちかけ、素朴で親しみやすく、同時に芸術的で、プロの演技を丁寧に表現できる内容、感動体験がいつまでも持続して頂けるもの。豊かな心を共に育てあえる作品として存在出来るもの。考えに考え、納得のゆく構成を導き出すことが出来た。 “てるてるジョウくん”を主人公にテーマを3つに分けて演じることにした。 「春夏秋冬」 「天気予報」 「地球冒険」 あらゆる情景を、素朴にそして楽しく表現したい。 自然や人の心の豊かさ、人や生き物のぬくもりを伝えられる作品にしたい。 “てるてるジョウくん”は今週21(木)のクリスマスコンサートでデビュー。そして上記の3テーマの作品は来年の2月、埼玉で初演の予定。 0、1、2才に限らず、3才以上の子ども達にも是非観て頂きたい作品だ…ということで、来夏からは「マウスプロポーズ!」のリニューアル版との同時上演作品としても、広い年齢層を対象にして上演を開始することにした。 ●16(土) 体力的にかなり参っていたが翌日のワークショップの準備。 年越し公演の構成を考える。 夜、森下にある不思議な劇場「ベニサン・ピット」にて麻美れいさん主演の「黒蜥蜴」を観劇。 新たな感動を沢山頂いてしまった。音楽を最小限に抑えて音は全て生音(役者さんが弾くヴァイオリンと遠くから聴こえるピアノのみ…このピアノもおそらく生音)だったのもよかった。そしてやっぱり三島由紀夫さんってただ者じゃない。めまぐるしいほどに続く珠玉の台詞の数々に驚きと感動。黒蜥蜴と明智小五郎の複雑な感情のやりとりをはじめ、もう見事としか言いようがありません。華麗で芸術的。ゾクゾクします。幸せで充実した時間を過ごしてしまった。会場は補助席が出るほどの満員状態。流石。 ●17(日) こどがく主催「学生のための人形劇ワークショップ Vol.2」 講師としてお呼び頂いた。 幡ヶ谷の某スタジオにて、実技の参加者が約20名、見学約10名。とっても丁度良い人数。 Vol.1は「入門・総合編」だったので長時間に色々浅く広くやった。 今回な「身体訓練編」 人形操演における体の捌き方、身のこなし、所作の会得を目的に様々な訓練をした。 時間はあっという間に過ぎた。質問コーナー(お悩み相談)ではホワイトボードいっぱいに質問(お悩み)が集まった。ひとつひとつにお答えした。これがまた非常に面白かった。この日の詳しい様子は「こどがく」さんがこれから写真付きで色々とレポートすることでしょう。 次回は2月頃、「発声・台詞編」を予定している。 ●18(月) 忙しない一日。 午前中、美容室へ。約2ヶ月振りのカット。いつもお世話になっている美容師の大沼さんが独立してお店をオープン。学芸大学駅の近くに「Sheep」をオープン。素敵なお店でした。 白を基調に一部の壁にピンク色。このピンク色が素敵!よくこんな素敵なピンク色を作り出したな…って感じ。だって一歩間違えれば林家パー子色(パー子さんを否定しているわけでわないですよ)、そんな科学的印象になってしまいがちな激しいピンクですが、爽やかで心地よい色なのです。他との調和がうまくいっているのでしょうね。そして木の床がぬくもりいっぱい。地下に繋がる螺旋階段もお洒落。地下ベランダ(日差しも入る構造)のピンクの壁の手前に生える芝生の緑が際立って美しい。あそこにブランコがあったら間違えなく素敵。リクエストしておいた(笑)。随所にこだわりを感じる空間。そこに居るだけで幸せな気持ちになりました。 午後、プーク人形劇場へ。 新聞社数社の取材。 なにせ今回の年越し公演、プーク人形劇場35年の歴史始まって以来の企画なのだ。 夜中に公演することさえも初めてらしい。これは凄いことなのです。そして凄い挑戦。 そんな年越し公演のことを、プークの劇場やプークの歴史のことも含めて取材して頂きたく、インタビューの場所を劇場にしてもらった。支配人にもインタビューに答えて頂く。入れ替わりで次の記者さん。2件目になると話す内容も整理されテンポが良くなる(笑)。トータルでは結構長い時間だった。この週末から来週明けにかけて、新聞の各紙面でお目見えするだろう。またこのブログでお知らせします。 夕方、事務所へ。 その年越し公演「たいらじょうの人形劇大全集」の演目順(構成)を考えた。 この構成を早いとこ決めないと、舞台図面を書くことも出来ないし、舞監や照明さんと言ったテクニカルスタッフとのミーティングが出来ない。 エントリー予定の作品タイトルを一つずつカードに書き込む。 延べ20作品以上。 それを並べ(凄い量…)、イメージを広げ次々と並べ替えてみる。 どんな順番だと観る側の気持ちが盛り上がるか…考えては並べ替え、並べ替えては考える…。 ウ~~~と唸りながら混乱する頭を冷静に保ちながらひたすら考えた。 そしてそして、 大、大、大決定!!!!! この日には決まらない覚悟でいたが納得の演目順が出来た。 問題はこれが3~4時間の上演時間に収まるか。 いくらダイジェスト版とは言え人形が出ればいいってものではない。 その作品の世界観やテーマは全てでなくとも伝えたい。 さてどこをどう抜粋して演じるか。どう構成するか。悩むところ。残り2週間。 そして夜遅く、またまた美容室へ。 最近カットは大沼さん、カラーは小濱さんにお願いしている。 小濱さんは世界一周の旅から戻り新しいお店でお仕事中。 今朝は下馬にある「Sheep」そして夜は原宿にある「GARDEN」へ。 ここマンモス美容室なのです。スタッフ60名でお客様は一日200名超えることは普通ですって凄い…。壁際にズラーーーーーッと並ぶシャンプー台が近未来的。 閉店後の店内で、真っ黒になってしまった髪の毛をカラーリングして頂く。 こうして信頼出来る美容師さんが居るって幸せ。皆にも好評な良い色に染まった。私の肌の色にも良く合っている。 ●19(火) あい・ぽーと(港区南青山)にてクリスマス・コンサートの最終リハーサル。 朝9:30に事務所から荷物を搬出。 私が普段使用している舞台キット(大黒、袖、照明…etc)をこのコンサートでも使うことに。 搬入を済ませ仕込み開始。 影絵が入るため、その舞台レイアウトをあれこれと工夫。 ピアノやツリーとのバランスを考えに考え調整。 今回は完売御礼。この会場に入りきるのか…という予約状況。ありがたい悲鳴だが、客席づくりを工夫、工夫…。一席でも多く、そして全員が観やすいようにとあるものを最大限に活用して工夫、工夫…。お蔭様でワクワクする空間が出来上がった。 季節の妖精の玉を操ってもらう4人のあい・ぽーとスタッフさん(中には画家も1名)、先週のリハの後はすっかり筋肉痛になったそうです。そうなのです。人形劇は体育会系なのですよ(笑)。 生演奏のピアノが素晴らしい。自分の作詞・作曲した曲にこれほどゴージャスなアレンジが入ると感無量です。私も良い演技をしたい。この日初めて会う方(出演者)とも意識を共に高め、結束を深めました。 良い表現を生み、そして届け伝えるためにはそれを行う人全員の意識が高いところになくてはいけません。ヘタクソでも不器用でも愛情を捧げること。愛情のないものは舞台に上げられません。 共同作業の過程においては言いたくないことを言わなければいけない状況もあります。それが愛情なのです。 我慢すべき我慢。我慢せぬべき我慢。その判断と見極めは人数が多くなればなるほどややこしくなり難しくなります。けれどそれは実はシンプルなことで、互いへの尊敬と愛情の気持ちがあればその解決は実に早いものです。ただ勇気が必要です。 この現場は今、私にとってその勇気を示せる場所です。 そういう現場に出会えることはとても幸せなことです。 ●20(水) 昼間に事務所に居るのが数日振り。 年末のこと、来年のこと、諸々の滞っていたスケジュール調整を済ませる。 次年度の上演依頼を再整理して、その他のスケジュール、仕込み期間などをどう取るかを改めて決める。今後の活動の方向性についても事務所で改めて話し合った。凄く良い話が出来た。 人形作家の川口さんに「サロメ」の人形を引き渡し。 年越し公演までに何箇所かの改良を施しておいて頂くことに。 腕が「マリー」や最近の「人形のジョウくん」と同じ骨組みむき出しタイプなので生々しさに欠けていた。ヴェールの中で踊ることが重要な演技となっている彼女(サロメ)は、ヴェールの中で微かに見えるその体(腕)のラインや動きがもっと明確に見えるべきなのでは…ということになった。 見えないことの美しさもあるが、見えるべき美しさもあるのだ。 |
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2006 12,15 02:30 |
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さて、4ヵ月分日記にひきつづき、
今日から大晦日までは 毎日更新しまっせ~(目標)! この週明けから大晦日にかけては毎日更新と目論んでいたがあっという間に木曜日。 写真のアップの仕方も早く覚えます。 良い写真がたくさん溜まっているのです。 ●12/9(土) この日、事務所(ジョウズグループではなくヴォイスファクトリーの)主催コンサートがあった。 私は来年のスケジュール資料の作成と、作曲作業があったが、事務所が朝から慌ただしく、その準備のお手伝いをした。皆が現場へ向かってからも予定外の仕事が私に増え、あっというまにコンサートへ向かう時間に。 時間が来て私は車で会場に向かう。その車の中で「てるてるジョウくんの四季の歌」作曲作業。 冬のパートのみ曲の構成がガラリと変わる。その部分の譜起こしがこの日の夜に予定されていたので大慌て。なんとかカタチになってきた。 コンサートにはギリギリ間に合った。 「世界に誇る韓国のオペラ歌手達」特別演奏会 関係者のみに公開のコンサート。目黒の庭園美術館にてとても良い雰囲気で開催された。 もう圧巻、驚き。特に感動したのはソプラノの「パク・チョンウォン」さん。あの全身から漲る表現力は見ていて気持ちが良い。歌のやわらかさ、そしてダイナミックさ。本当に幸せな響きでした。 レセプションパーティーは失礼させて頂いて、目黒のカフェにてこそこそと録音テープ片手に作曲作業。フレーズが出来上がったら歌を直接吹き込むという何ともお恥ずかしい作曲作業。 なんとか時間ギリギリで曲が出来上がった。 譜起こし作業に鵜の木にあるS木さん宅を目指す。お蔭様で雨もやみ、快適。 S木さん宅のピアノスタジオにて譜起こし作業。 自分が体から湧き出る感覚だけで作曲した曲がどんどんドラマティックな伴奏付きで完成してゆく。こんなにカッコ良い曲になるとは…。S木さんとの共同作業は本当に楽しい。抽象的に私が伝えるニュアンスも驚くほど感じ取って頂けるので大助かり。終電ギリギリまで曲を微調整。納得のいく曲が出来た。 ●12/10(日) 本当はこの日が「てるてるジョウくん」の受け取り日だったが私の体力が限界に。10月の「天守物語」の鬼のような稽古と本番、そして11月から先週まで、週末は全て公演があり、平日も非常に公演が多かった。とってもやり甲斐があったがここで私の体もダウン。 人形作家さんには申し訳なかったが人形受け取りは翌日に延ばし、この日は1日体のメンテナンスに時間を当てた。 ●12/11(月) 元気100倍!ふっか~つ! 昨日サボった事務仕事を午前中に片付ける。 次年度の主催事業の日程が全て決まったので、日程押さえの決定をお待たせしていた各地の依頼公演主催者に次々とご連絡。来年から再来年明けの流れが見えてきた。 「てるてるジョウくん」受け取り。出産した新しい我が子に初対面する感覚(って、経験はないけどそんな感じなのです)。ん~カワイイ。構造に関する微調整と打ち合わせを済まし、事務所に持ち帰りメイキャップ作業。その前に事務所の片付け。先月の旅公演の諸々の荷物がまだ片付いていなかった。これを処理せねば安心して次なる仕事に取り掛かれない。 大まかに片付けを済ませ、「てるてるジョウくん」のメイク作業。翌日のリハーサルには出来るだけ本番に近い状態を皆さんに見せたかったので。たった1体の人形だが、観客との交わりが深い人形なだけにメイクには悩んだこと悩んだこと。メイク作業を始めた頃、テレビでは映画の「NANA」が放送されていた。まったく見るつもりもなく、むしろこちらの作業が架橋に入ったらテレビは消そう…くらいに思っていた。しかしこの映画バカに出来ない…なんだかつい見入ってしもた。普通に感動していた私。いかんいかん、作業が…。しかしNANAパワーか?この後の作業は早かった。 「てるてるジョウくん」完成!!!!! ●12/12(火) あい・ぽーと(港区)「クリスマスコンサート」のリハーサル。 歌も人形も皆さんに初公開。お蔭様で大好評。良かった~。 皆さんでコミュニケーションし思いを高め、リハーサル。 考えてみれば人形劇のアンサンブルをやるのは2003年の夏の池袋でのアンサンブル「カラフル学校のてんこう生」以来。 アンサンブルは面白い!! ひとりであることにも魅力を感じてはいるが、普段こうして来る日も来る日もひとりで演じている私にとっては、夢のような舞台構成。楽しい! まずは舞台で一緒に演じる皆さんにミニ講習会。 あひる歩き、すり足、体の捌き方、姿勢の取り方など、操演における基礎的な心得を実践しながら覚えて頂く。画家のGenさん、流石芸術家!覚えが早く美しい。 さてリハーサル、基本振り付けをいくつか覚えて頂き、その動きにイメージや気持ちをのせて頂きどんどんとつくりあげていく。息切れしている皆さんがお気の毒だが愛おしい(笑)。 気が付けば休憩なしで数時間でした。ごめんなさい。 このクリスマスコンサート、大人気らしく、キャンセル待ちさえももうお断りしている状態なのだとか…。追加公演が是非やりたい。1ステージはもったいなすぎる。長編作品ではないので2ステ出来ないこともない。実現するといいなあ~。 稽古場から大急ぎで六本木へ、昨年の2月、1ヶ月間の個展をさせてもらったギャラリーへ年末のごあいさつに。私が心から尊敬する女性、塚原館長。おおらかで、優しくて、厳しくて、穏やかで…。こんなに素敵な方が他に居るでしょうか…と思うほど素敵な方。かなり忙しい私のマネージャーさんも、塚原館長に会うことは特別なこと。学芸員のエリカさんとも会ってお話することが出来嬉しかった。東京には私にとって原点となっている場所がいくつかある。このストライプハウスギャラリーでの1ヶ月間はありえないほど衝撃的で充実した1ヶ月間だった。そして人形劇人としての私を深いところへ導き形成させてくれた重要な時間だった。そして重要な場所だった。 このギャラリーで日頃の活動報告や御礼を言えることはこの上なく幸せ。 お互いに時間がなく、短い時間でしたが充実した密度の濃い「とき」を過ごした。 ●12/13(水) 「てるてるジョウくん」加工作業。まっしろな体を汚れにくくするために静電気防止加工を施す。 事務仕事諸々。新作のご案内原稿も作成。「0、1、2才のための人形劇場」も具体的な構成を決める時期。色々と悩む。作品タイトルにも随分悩んだ。夜はプーク人形劇場へ。正式に、次年度の会場を予約。詳しいことはこれから…。 ●12/14(木) 午前中、しばらく行けずにいた銀行と郵便局へ行き用事を済ます。新宿の日本ウニマへお届け物。事務所へ戻りこの日記を書く。写真の更新をスタッフに教えてもらう。 先日、出世払い(?)で購入した「押し花作品」が届いた!! 押し花作家「石井房江」さんの作品。やはり素晴らしい!一目惚れしただけある。事務所によく似合う!スタッフの「うけ」が悪かったら自宅に飾るつもりだったが大好評!良かった…。事務所の玄関がとびきり素敵になった。このところ昼食がいつも午後4時頃。いかんいかん。 完全に時間が乱れ、考えるべきときに思考回路が低下。夕方、「0、1、2才のための人形劇場」の台本をつくらなきゃいけないのに、思考をスタートする脳内スイッチも押せなくなってしまった。事務所で寝倒れてしまった。幸い、夜の打ち合わせは事務所スタッフとだったのでしばらく待ってもらい、休ませてもらった。2時間程眠らせてもらったあと、週末のワークショップの打ち合わせ。学生さんをメイン対象とした人形劇講座の第2回に向けての打ち合わせ。具体的な内容を最終的な申込者数と照らし合わせながらのミーティング。第1回は総合編だった。今回は「人形操演における所作、体の裁き方と動きにおける感情表現」という感じで、「身体訓練編」となっている。そして第3回は「発声・台詞編」を予定している。こうしてシリーズで出来るワークショップは深く出来るので嬉しい。 もう夜中だ。ちゃんと眠らなくちゃ。 |
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2006 12,08 23:25 |
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2006年「夏~秋」その3です!
●12/1(金)~4(月)京都公演 遂に今回のこの日記も京都公演まで辿り着いた…。 1(金)朝8:40発の新幹線に乗り、目指すは京都。 翌日の会場の下見を目当てに、早めに入ることになった。 その会場が、午前中までしか下見が出来ないということで、非常に早い出発になった。 会場は京都南部の宇治。京都市内周辺は高校生のときの修学旅行で訪れたが南部は初めて。 京都駅到着後、すぐに宇治を目指す。主催者の方が迎えに来てくださる。下見と翌日の打ち合わせを済ませ、宿にお送り頂く。16:00まで入れないとのこと。本番を控えているときにはとても観光という気分にはなれないものだがこの日は宿に入れないことを理由に、周辺のお茶屋さん巡りと平等院、宇治神神社に行かせて頂く。荷物だけを宿に預けまずはお茶屋さん巡り。老舗の「通園」さんで頂いた「満天」と言う名前のお抹茶が驚くほど美味しかった。流石、お値段もそれなりなだけあります。茶だんご、冷抹茶白玉…とお茶尽くし。どれもこれも本当に品の良いお味で美味しい。 そして10円玉の裏側でお馴染み、世界遺産の「平等院」へ。ここが素晴らしかった。一生忘れないと思う。そして何度も行きたい場所がまたひとつ増えた。 鳳凰堂のあの凛とした美しさと鋭さ、不思議さ、入ってすぐに圧倒させられてしまった。こんなに間近で拝見できるなんて。建物のカタチや造り以上に、そこに潜む荘重な歴史の深さに圧倒されたたのかもしれない。そして鳳凰堂の内部に入らせてもらったことにも感動。何故か理由がわからないが涙が出てくる。圧倒されるのと同時になんだか慰められているようなそんな感覚を覚えた。 今は平成大修理の真っ最中。博物館では修理直後の彫刻などを間近で見ることが出来る。これにも感動した。鳳凰堂内の「阿弥陀如来像」にはもちろん感動したが、その周りを取り囲む「雲中供養菩薩」には大変感動した。52体、それぞれが、それぞれの雲に乗り、穏やかな表情でを楽器を弾いている像だ。約半分は鳳凰堂内から取り外され、博物館内で間近に拝見することが出来た。その佇まいが何とも言えない。これだけお喋り好きな自分がうまく説明できないほど、楽しげで優しくやわらかな雰囲気の素敵な菩薩様。極楽浄土と呼ばれていることに「なるほど」と思えた拝観だった。 院内にてあるVTRが流されていた。鳳凰堂は本来こんな色彩だった…と言うNHKさん制作の番組と、平等院・平成大修理の模様をレポートしたもの。感激したのはその平成大修理の模様。まず阿弥陀如来像を外へ出すのに、阿弥陀様の魂を「水晶の数珠」に移す儀式が行われるのだ。そしてフワフワの白い生地でぐるぐるにされ外に運び出される。そしてその修復作業が凄い。新しいものを上から貼るのではなく、今の状態を出来るだけ維持させるための作業が中心。そして過去の修理で貼られた質の悪い金箔は剥がされ新たなものが貼られる…という作業。その現状維持の修復作業が気の遠くなるようなデリケートな作業。小筆や綿棒で煤を優しく丁寧にゆっくり落とし、注射器のようなもので特殊な液をそっと垂らす。そっと固める。きっと1日数センチの世界だろう。あのダヴィンチの「最後の晩餐」の修復も1日1センチ角だと昔見たNHKさんのドキュメンタリーで言っていた。過去の偉大な名作に我々がこうして感動出来るのも、そんな人々の弛まぬ努力のお陰なのだと思うと本当にありがたい。 この日の夜、旅館でのお夕食に頂いた「胡麻豆腐」が非常に美味しかった。感動した。ひとりで思わず「美味しい…」と呟いてしまった。 2(土)本番当日。朝仕込みの午前本番。 かなり慌ただしかった。会館の都合で色々とどうしてもしょうがなかった。申し訳なかったが開場を5分程押さしてもらい舞台仕込みがなんとか間に合った。この日は発声などのウォーミングアップも舞台仕込みをしながら行った。歯を磨きながらストレッチ。何もかもが同時進行。しかし本番が始まれば、非常に良い穏やかな状態で落ち着いて表現することが出来た。お客様のお陰。 初の京都公演。京都のお客様はとても厳しい…と伺っていたが、とっても愛に溢れた良い雰囲気。「お花のハナックの物語」を今年たくさん上演してきただけあって、作品にも磨きがかかり、内容や言葉も整理され、演劇作品として完成度の高いものになってきたと思う。 何よりもこの日はお客様に支えられた。そして「お花のハナックの物語」でお客様がこんなに涙を流してくださったことも初めて。 子ども達は声を上げて喜び発言し、そして真剣に台詞を聴く。大人たちも目を輝かし楽しそうにしている。子どもの笑い声と大人の笑い声が同時に聴こえるその空間は何と幸福に満ちているのだろう。 今年のハナックの上演をとても良いカタチで締め括ることが出来た。 終演後の交流会も楽しかった。良い話がたくさん出来た。皆さんにまたすぐ会いたい。 その後、人形劇団「京芸」さんのアトリエを見学。劇団内では「山」と呼ばれているらしい(笑)。 間もなく設立から60年を迎える老舗人形劇団。全国には大手のプロ人形劇団が5つある。人形劇団プーク(東京)、人形劇団ひとみ座(神奈川)、人形劇団クラルテ(大阪)、人形劇団むすび座(名古屋)、そして人形劇団京劇(京都)である。京芸さん以外の4劇団のアトリエには過去にお邪魔したことがあるが、京芸さんのアトリエにはまだ伺ったことがなかった。 僕は「稽古場」という場所が本当に好きだ。言葉で説明できないエネルギーや情熱が詰まっている。また道具をつくる「工房」にも非常に興味がある。全てのものがそこでつくられ、そして各地へ旅に出る…そしてまたそこに戻って来る。人が集まる場所。創造する場所。出発の場所。未だ自前のアトリエを持てずにいる私にとって「アトリエ(稽古場、工房、劇場)」は憧れであり、浪漫であり、夢。それらを実現し、守り続けている劇団のアトリエには計り知れないエネルギーに満ち溢れている。 今回、京芸さんのアトリエを見学させて頂き、なんだか、私の中にあたひとつのパズルが完成したような気がした。 稽古場では丁度、新作の「キャプテングック」の稽古をしていた。ベテラン俳優のBさんがアトリエ内をくまなく案内してくださった。ここのアトリエは、敷地内が「京芸さんのアトリエ」というよりは「京芸さんの村」という印象。団員さんの住まいもあり、みんなが集まる食堂も何とも言えずあたたかい雰囲気。外には洗濯機が何台も。食堂には冷蔵庫が4台。面白い。人形倉庫には幾つかの人形(100体以上はあった)むき出しにズラリと飾られてあった。ここはいつまで居ても楽しい。飽きない。何体かを操らせてもらった。私は人形を操り始めるとつい時間を忘れ没頭してしまう。本当に面白かった。 私は何故だか理由もなく涙が込み上げてきた場所があった。それは工房の1階。塗り物作業や木材の加工などをおこなう部屋。その佇まいに圧倒され、作品は何ひとつ置かれてもいないのに感動させられるものがあった。平等院の鳳凰堂の内部に入ったときと同じ感覚になった。不思議な体験だった。いつかその理由がわかるとき来ると思う。 団員さんとしばし交流。「くわえ1号」と名付けられたストーブ(人形劇団京芸出身の人形劇人さん「つげくわえ」さんが贈呈したらしい。現在日本で最もひっぱりだこな人形劇女優さんのひとり)がとても暖かかった。くわえさんの温もり付きだからかな。 そんなこんなで宇治を後にして京都市内へ。京芸さん、お忙しい中のお付き合いありがとうございました。 公演のあとにすぐ公演がないのはとっても久しぶりでした。 なので、2日間、京都に滞在することにしました。 翌日3(日)、「やましろのくに」と言う人形劇フェスティバルに足を運んだ。お目当てはアマチュア人形劇団「パペットてなもんや」さん。 以前私のワークショップをこの劇団の方が受講してくださったのです。とても興味があり、寺巡りを差し置いて「やましろフェス」へ行きました。 行って良かった~!!!!!! これが「てなもんや」さん、カルチャーショックを受けるほど面白かったのです。 ん~僕のツボにグサリッだったのです。2作あったのですが両方ともとっても楽しかった。 一つ目は言葉のないエチュード。指が人形の足なのですがその指(足)がよおまあ動くこと。 二つ目は台詞ありの即興劇。とにかく登場キャラクターがアリやら、バッタやら、蚊、イモムシ、蝉、蝶、と様々なのですがその区別は色違いなだけの手袋にみんな同じ白い玉の“首(かしら)”。極めつけのキャラクターが「植木鉢!」もおこの植木鉢さんなんて最高!こんなのアリ~が通用する人形劇って最高!日頃かなり抽象人形を用いてる僕でさえヤられてしまった美術とその話の展開。そして話術。関西弁が喋れるってズルイ~と思ってしまいました。あのノリは彼女たちにしかできまへんわ(なんちゃって関西弁)。会場内、子どもも大人も大爆笑でした。 そして人形劇団京芸さんの「ちいさくなったパパ」は一段と素晴らしくなってました。よく新鮮さを失わず…凄い! 夜、マネージャーさんのご両親と京都の老舗の水炊き屋さんへ。 白川の横を歩き、京都らしい道を眺めながら、そして神々しく明るい月を眺めながらお店を目指しました。夏は鳥が痩せ、美味しい白菜が採れないから…という理由で5ヶ月間も店をお休みするというそのこだわりに驚きました。それも納得。あの出汁。言葉を失う美味しさでした。感動的なお話をたくさんした後、清水寺へ。本当にラッキーなことに。その日まで、秋の夜間特別参拝(ライトアップ)が実施されていたのです。祇園から清水寺まではやはり大混雑。車が進まない。途中からは坂道を徒歩で上がる。着きました清水寺。修学旅行以来。ここも何度でも訪れたい場所のひとつだ。 それにしても紅葉のライトアップが見事。夜桜のライトアップにはどうも違和感を覚えるのですが、初めて見る紅葉のライトアップは圧巻で、闇の中で光を照らされた紅葉が、まるで「かがり火」のように燃えているかのようでした。 翌日4(月)、枚方にて人形劇団京芸さんの小学校公演を見学。大好きな作品「漫才の星になるんや」の最後の学校公演なのだとか。拝見することができて光栄でした。一昨年のいなさでの観劇以来、キャストがリニューアルされてからは観劇しておらず是非とも観たかった。人が違えば芝居も大きく変わる。若い劇団員さんがたくさん入ったバージョンになっていた。これは鍛えられるのお。そしてさぞやり甲斐もあることでしょう。そしてそれをさせる劇団の勇気にも感動。芝居は相変わらずエネルギッシュ。あれを2ステやるときにはもつのだろうか…と思うほど。出演者6名の手が休まるときがない。人形の登場数が2体のときも6名全員の12本の手が大活躍して劇の面白さを高めている。これが人形劇なのです! 楽しい~!!!感情表現の形態模写を6人の人の力を駆使してその人数以上のことをやってのけている。ひとりでいつもやっている身としては、アンサンブルするならあれくらいの充実した表現に触れたいのです。この芝居5人もいらないよな…とか思ってしまうお芝居は非常にもったいない。それもそれで「表現」ではあるのですが、私はひとりの人間が持ちえる「力」に触れて頂ける劇を提供したい…と願っている。この「漫才の星になるんや」や同劇団の「小さくなったパパ」や人形劇団むすび座の「西遊記」や「うみぼうやとかぜばんば」などにはそんな「人が持ちえる力」に触れられる舞台だ。そしてあの「小さくなったパパ」や、くわえぱぺっとステージさんが多くの人の心を捉えているのは、演じる人の「人間性」に触れられる「人間味」が溢れ滲み出た作品で、「人」との出会いを提供できる舞台だから感動を呼ぶのだろう。僕の表現には何が出来るだろうか、何があるだろうか、またじっくりと考える機会が訪れている。 観劇後、浄土真宗である私はどうしても西本願寺へ行きたく、そして清水寺で「天守物語」で使用する舞扇が購入したく…ということで、京都駅にて、帰りの新幹線の時間を3時間先に変更。 京都駅のコインロッカーにトランクケースを入れていざ西本願寺へ。 門の荘重なつくりにびっくり。人も少なく、厳かな気持ちで、ゆっくりと参拝することができた。 しばらく過ごしていたかったがあまり時間もないので、清水寺へ。 昨日は時間がなかったのとお店がしまり始めていたので購入で出来なかった舞扇を幾つも購入。 修学旅行のときに購入した舞扇が今や「天守物語」で大活躍。今回の京都滞在で、どうしても舞扇を購入したかた。浅草など、都内近郊にも扇屋さんはあるが、京都は種類が豊富なのだ。来年の「天守物語」で活躍してくれそうだ。その前に、年末の年越し公演で登場するかも。 少し時間が出来たのでこの日も清水寺の舞台まで上がることにした。 修学旅行生が隙間なく居る。修学旅行生の波。自分の気持ちをしっかり清水寺に向けていないと、清水寺よりも修学旅行生の記憶ばかりが残ってしまう…。前日、秋の夜間特別参拝(ライトアップ)に訪れた清水寺。2日続けて来てもまったく飽きない。夕暮れ時の清水寺を堪能した。そして昨日よりじっくり時間をかけて参拝した。本当はお参りは午前中が理想的。今度は是非、朝に訪れたい。 4日間に渡り満喫した京都ともお別れ。ありがとう京都。また来ます。 帰京は夜中近かった。 ●12/5(火)~8(金)東京に戻り… あらゆる公演の事後処理が満足に終わらぬまま公演が続いてしまったので帰京直後から慌ただしい。5(火)「てるてるジョウくん」の試作品を前に色々と検討会議。人形作家さんに試作を戻し、続きの作業を依頼。かなり愛らしい人形。来週、私が人形にメイクを施して完成の予定。来週のリハに間に合わせたい。クリスマスコンサートに向け「てるてるジョウくんのテーマソング」と「てるてるジョウくんの四季のうた」を作詞・作曲。7(木)の午後、2時間程で詩を書き上げる。メロディがすぐに湧いてこなかった。実はこの日の夕方からピアニストの方と譜面起こしをするというのに曲が出来上がっていない。困った…。というのも、これまでつくってきた「シンデレラ」や「ジャンピングラビット!!」、「マウスプロポーズ!」などの曲は物語のイメージがあり、曲も湧いてくる。 しかし漠然と“てるてるジョウくんのテーマ”となると難しかった。そして“四季のうた”といってもなにかあてがる物語があるわけでもなく漠然と“四季のうた”というわけだ。 しかし集中すると詩が沸いてきた。四季のうたに関しては風物詩や物に関する内容は一切入れず、自然の中のことにこだわった。曲がすぐに湧いてこなかったが先送りも出来なかったのでまずはピアニストさんのもとへ。僕は楽譜が書けるわけでも読めるわけではないので、自分のつくった歌を譜に起こす際にはこうして助けが必要なのだ。 楽譜起こしをする青山へ行く歩き道や電車の中で何度も詩を読み返した。 普段作詞・作曲する歌は物語に照準を当ててつくっていて、歌はいつも「リズム」から決まってゆく。そしてその後にメロディと歌詞が同時に湧いてくるのがいつものパターン。 今回は詩が先なので不慣れなパターンでした。 しかし電車の中で何度も詩を読み返す度、メロディの構成が出来てきました。 そして青山一丁目から「あい・ぽーと」を目指すまでの歩き道でだいたいのメロディラインが出来上がりました。これは面白いかも…。 道端にしゃがみこみ、ポータブルの録音機に歌を吹き込む。 そして到着後30分時間をもらい更に曲をつくる。 出来た~。 ピアニストさんとの譜起こし。これがとてつもなく魅力的で楽しい作業だった。 私が口で歌うアカペラの歌がどんどんピアノで弾かれ、魔法のように楽譜に起こされてゆく。 どうしてあんなこと出来るのだろう。ものの1時間でだいたいが仕上がった。 「ハ長調だったので楽だった…」とは言いますが凄いです。信じられません。 自分もあんな風にピアノを弾き鳴らして自分で譜を書けたらどんなに素敵だろう…とか憧れてみたりして…。けれどピアニストのS木さん曰く「楽譜もないのに自分の作った歌を何度でも同じ間で歌える平さんの方が信じられない…」と言われました。確かに私が指示を出す歌の間やタイミングは一貫していて、それはそれで自分でも面白かった。音楽の勉強やピアノの勉強をして来た人を羨ましく思ってしまうものですが、もし僕が音楽の勉強をきちんとしていたらこんな曲は生まれない…とよく言われます。だからよかったのかな…とか思ったり。 その後かなり急ぎめの食事を済ませ新宿のプーク人形劇場へ。 年末の公演の打ち合わせと次年度の公演についての打ち合わせ。 いよいよ、晦日ロングラン2006・ファイナル!☆年越しカウントダウン公演☆が近付いて来た! 舞台のあれこれや当日の流れなど、具体的なミーティングが遂に始動! なんとお蕎麦の振る舞いもすることになりました。そして大量に出演する人形達をどう整理するか。打ち合わせが始まりました。とにかくプーク人形劇場も35年の歴史始まって以来初の年越し公演。 本当に充実した魅力的な公演にしたい。 打ち合わせで色々と課題を見つけ出し、私の方での具体的な企画検討(プログラム構成)の決定が急がれた。決して<内輪だけノリ>にはしたくない。初めて人形劇を観る人も、そのめくるめく面白さに触れられる一夜にしたい。勇気に満ち溢れた幸せな気持ちで、2007年を全身で迎えながら劇場を後にしてもらえる。そんな公演にしたい! 皆さん、是非、是非、今年の大晦日はプーク人形劇場にいらしてください。おひとりでも、ご家族でも楽しめる内容になっています。電車もこの日は一晩中走っています。ご心配なく! さて、やっと書き終えました4ヶ月分の日記。 他の仕事をしながらですが、この日記を書き上げるのに3日かかりました。 これだけ更新がご無沙汰となり久しぶりとなった今回の日記。 もうこのブログを忘れられているのではないか… 読んで頂けているかどうか少々不安です。 もしお読み頂いたら「読んだ」ということだけでも良いので、公式ウェブサイトのBBSやコメントコーナーにひと言頂けたら嬉しいです。 今回の日記は是非とも多くの方にお読み頂きたいものになりました。 とても長い日記でしたが、お読み頂いた方、本当にありがとうございます。 たった一言の日記を書く余裕すらなかったこの数ヶ月。 それだけ充実した、怒涛の数ヶ月かんでした。 この数ヶ月間で私は多くのことを学びました。 この経験を糧にして、私はまた表現活動をつづけて行くことにします。 出会った人全てに感謝。 ご先祖様、神様に感謝。 そして会えなくとも、私の活動をあらゆるかたちで応援してくださっている全ての方に感謝。 私の作品を観たいと思って待ってくださっている方、その気持ちが波動となって私のもとに届いています。そして、行く先々、満面の笑顔で、会場を幸せ一杯に満たしてくれる子ども達。あなた達の笑顔は希望の光です。本当に本当に、ありがとう。 |
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2006 12,08 23:15 |
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2006年「夏~秋」の日記・その2です!
●11/1(水)~12(日) 「天守物語」公演翌日1(水)、搬出作業。劇場から白金の自宅倉庫を荷物を運びつつ、岐阜県での大人向け公演で使用する道具類をピックアップ、初台の事務所に移動して梱包作業。岐阜県用荷物無事発送。天守モードからハナックモードに帰るべく色々と気持ちの準備。 3(金)岐阜県、のり日。急遽前日仕込みが出来ることになり、予定より早く岐阜県入り。 夕方から夜にかけて仕込み。 岐阜県内ツアー2006第二弾・シアタースタート事業。 いよいよ始まり! 揖斐→神岡→益田(荻原町)→益田(金山)→大垣→各務原→大垣 というスケジュール。岐阜県は大きい!そして今回はその岐阜県内を横断! 同じ岐阜県内でも地域によって町も自然風景も人も皆違う。これまで何度も足を運んだ岐阜でしたが、新たにまた岐阜県を知ることが出来ました。そしてとにかく沢山の、沢山の方にお世話になった。 とにかく私は自前の車が無いので、舞台で使用する道具類と私自身を各地の主催者から主催者を繋ぎ現地の皆さんの車で運んで頂くわけです。なかなかの長い道のりでしたが、お蔭様で神岡の方へ行く道中では随分紅葉を楽しませて頂きました。各主催者の方との交流会も本当に面白かった。皆さん個性豊かで、皆さんが印象に残っています。ビックリする程美味しく自然な味の柿や初めて食べた名産「ほう葉味噌」の豊かな味に感動しながら(大量に買って帰ってしまった)、素敵な出会いの目白押しでした。ひとつの作品をこれだけ続けて上演出来たことは非常に幸せなことでした。そして何よりこのブックスタートならぬ「シアタースタート」という企画。これが素晴らしいではありませんか!今後の私の最も大切なプロジェクトのひとつとしてこれからも関わり実施しつづけてゆきたい。そう思いました。今回のツアーで得たことが沢山あります。 子どもの感じる力をもっともっと信じなくてはいけない。そして子どもの眼の輝きひとつひとつをもっと大切に拾いたい。子どもと過ごす時間を豊かにしたい。劇場デビューというたくさんの子ども達を前にして、多くの決心と決断を与えてくれました。 「劇体験」 それはもしかすると、1歳・2歳の子ども達にとっては初めて家族以外の他者とコミュニケーションする場かもしれない…と思いました。 舞台での劇と客席にはコミュニケーションが発生します。コミュニケーションが成立していない舞台が「つまらない舞台」になる。と僕は思っています。 映画やテレビやゲームではこの生での感情のやりとりはありません。 時代が進むにつれ、直接人に会わなくても、物を買ったり勉強したり出来る時代になってきています。 これがゆき過ぎてしまうと人間の在るべき豊かさがどんどん消えてゆくような気がします。 ゲームでする「遊び」はリセットが出来ます。好きなところで辞められます。けれど人間関係にはリセットが無く、命は尊く、そしてコミュニケーションは好きなところでは辞めることができません。だから「人」は「豊か」なのです。このところ、お金や物があることが「豊か」とされるようになっている気がします。人とコミュニケーション出来ること、これこそが「豊か」だと僕は思っています。 観るものがあらゆるイメージの世界をのせながら、想像力と創造力を駆使して体験する「人形劇」には、人間の本来在るべく豊かな「人間力」を育てる最高のエッセンスが鏤められているように思えてなりません。 0歳、1歳の子どもが母親と共に観劇に来る。お母さんにしがみついて劇中のほとんどは母親の顔しかみていなかった子もいるかもしれない。けれどそれでも良いのです。母親とひとつの同じ時間を共有したその「事実」が子どもの心の中に幸せな体験として、潜在意識のなかにうえつけられ「豊か」な人になるのです。観られるときには少しずつ舞台を観る。ひとりで観られるときにはひとりでじっくり観る。大人になってその舞台の記憶が無かったとしても、舞台を観て感情が動き反応したその体験は否が応でも脳内を活性し豊かにし、感情表現豊かな「人」をつくります。 文部科学省が子どもの学力に対しどうのこうの、勉強時間がどうのこうのと騒いでいるけど、豊かな人間形成に必要なのは何よりも豊かな「文化」なのであるということを、早く“偉い人達”と呼ばれる人達がそれに皆気付いてもらいたい。 今回このシアタースタート事業で政府に助成金を申請したとき、「ブックスタートはわかるけど…生の舞台を観ることと子どもの育成に何の関係があるのだ?」と言われたそうな。それを聞いたとき空いた口が塞がらなかったけど、それが現代の社会の現状なのかもしれない。 最近、大人の方が私の人形劇を通して始めての劇体験をしてくださる方が口々に言ってくれます。 ご年配の方は「自分の子どもが小さいときに人形劇を観せたかった…。どんなに豊かになったことだろう。」、そして若い方は「子どもが出来たら必ず人形劇に連れてゆく。人形劇を観るなんて考えもしなかった。」などと言ってくれます。本当に嬉しい瞬間です。 たった1時間程度の劇場体験が一生の生きる糧となるのですから…。そう、それだけに、私の仕事は責任重大なのです。劇場には始めて劇を体験する子(する方)が必ず居ます。始めての劇体験で私の人形劇が苦痛に感じてしまったら、その子は「舞台芸術」そのものを嫌いになってしまうかもしれません。私はオペラに対してが正にそうでした。小学生のときから文楽や大人が観る演劇も大好きだった私。しかし日生劇場で観たあるオペラのお陰で、私は10年間もオペラに触れるチャンスを失ってしまいました。そう、その日生劇場でのオペラがトラウマになってしまっていたのです。今は素晴らしい方々との出会いにより超オペラファンですが、その方々に出会わなかったら今も尚オペラで得るあの深い感動えを味わえずにいたでしょう。 そうです。プロであったとしてもアマチュアであったとしても、一般観客に「劇」を観て頂く以上、責任は一緒です。重大なのです。 「人形劇というと子どものときに観たつまらない印象しかなくて…」その原因となる舞台をしてはいかんのです。例えヘタクソでも子どもに伝えたいメッセージの核を持つこと。そして「文化芸術」に触れてもらうのだ…という誇りと心構えを持つこと。これをテーマに私は活動を続ける。 そんなテーマを見付けた尊い岐阜県内ツアーでした。 ツアー途中の空き日を利用して大垣市で企画された大人のための人形劇公演。 「ハンドファンタジーライブ」手による様々な演目を上演した。ギュウ詰め満員の客席。とっても盛り上がった。予定を大幅に延長しての公演となった。フリートークたっぷり交えながら公演にさせて頂いた。元気なお客様。本当に良いムードだった。19:00に開演して終演は22:00近かった。いやはやどうもすみません。「毛皮のマリー」の予告編(?)も出来て嬉しかった。いつか「毛皮のマリー」を大垣で上演しよう!ということで、その実現へ向けてダイジェスト版を上演した。 会場となったお洒落なダイニングバー「ミュージックジャーナル」に「ハンドラブ」などの演目もピッタリ!そして「よだかの★星」も独特な開放感に包まれて、いつもと一味違う表現が出来た。 ●11/13(月)~19(日) 13(月)に帰京。 14(火)休む間なく、港区の「あい・ぽーと」にてクリスマスコンサートの企画会議パート3 大分内容が具体的に練られてきた。楽しみ。 熱風邪をこじらしてしまったので病院へ。すごく流行ってる。 「0、1、2才のための人形劇場」を来年の2月、埼玉県にて初演することになった、その打ち合わせもこの日の夕方に。 とにかくこの11月は都内に居る日が数日間しかなく、都内滞在中はあらゆることに追われた。 16(木)静岡県、のり日。 当初昼には出る予定だったが、都内での仕事が多く出発を夜に変更。 ギリギリまで諸々の作業を事務所で済ませ夜に出発。 現地での移動が多いのと、フェスティバルのため現地スタッフが手薄ということもあり、今年のいなさは飯田と同様、レンタカーを手配してドライバー兼スタッフを1名連れての動向となった。 正直、フェス側はそこまでの予算を準備していないが、より良い状態で上演するため必要な決断だった。いなさ人形劇まつりの会場周辺にはホテルらしいホテルがなく、滞在は浜松市のホテルにした。そのため、なおさら車が必要となった。私はしっかり免許(マニュアル)を持っているが、しっかりペーパードライバー、自慢できないゴールド免許を持っている(去年の今頃の日記はその更新したときのことを書いているだろう)。体力的にもドライバーさんがひとり居るだけで非常に助かる。 さて、いなさ初日17(金)は分散公演として小学校での公演。体育館は難しい現場だが、ハナックに関しては雰囲気良くおさまる。公演後は子ども達との交流会。みんな可愛い。何人かに人形操演体験をしてもらったが嬉しそうにするその様子がまた可愛い。「簡単そうにみえるのに遣ってみると凄く難しくて全然動かない…。」その感想が嬉しい。いとも簡単に操っているように見せることが私の目標。「私にも出来るかも、私もやってみたい!」と思ってもらいたいのだ。 とにかく初日は昼食もとれない慌ただしさだった。予想外のことがつづき大焦り。なんとか無事に本番が終わりホッとひと安心。メイン会場へ向かう。 歓迎パーティーは残念ながら既に終了していた。 オープニングセレモニーに「人形のジョウくん」とダンボール人形劇場の「ライノルド(ライオンさん)」、「きり子(きりんさん)」と共に参加。毎年、出演劇団ほぼ全ての人形達が一堂に会するこのセレモニー、とても楽しく貴重な時間だ。翌日の地元新聞にもこの場の様子がカラー写真入りで大きく載っていて楽しい。 さて、オープニングセレモニーの後は同会場にて人形劇団むすび座さんの「うみぼうやとかぜばんば」を観劇。大好きな作品。口をあけて喜んでしまう作品。出演者5名がとにかく忙しい。誰も休む場面なし。母なる海の壮大さをこれでもかといわんばかりに表現していて圧巻。昨年飯田で観劇したとき、2幕では長台詞が多く難しい演技が多くつづくせいか、その演技に少々弱さを感じてしまいやや眠気が…でしたが今回は2幕もしっかり観れました。これだけのテーマとメッセージを伝えるのはさぞかし大変なことと思います。 ホテルに戻ったときには少々遅い時間になってしまった…。 18(土)2日目、人形芝居くりちゃんの公演を観つつ会場の雰囲気を下見しつつ(その後に同会場で私だったので)、その後荷物だけを搬入して昼食をとりながら会場が空くのを待つ。 仕込み開始。順調に進む。この回のチケットは随分早い時期に売り切れてくださっていたようで。ありがたい。感謝感謝。満席の会場でいよいよ開演! ん~人形劇人が多すぎて決してやりやすい環境ではなかった…。台詞も増えすぎてしまった感あり。けれど一生懸命演じました。大きな笑い声に包まれ、とても良いムードでした。 夜は百鬼どんどろさんの「卍 まんじ」を観劇。ややグロテスクですが、とっても楽しかった。 理解できない方も多いようですが、近年の日本人の生活リズムとは温度差があるかもしれません。前世の記憶がそれとなくある私は、なんだか不思議と理解することが出来、楽しめてしまうのです。 19(日)は前日と同じ会場にて朝早くから「お花のハナックの物語」 前日に台詞の量が多いと指摘され私もそう思い大幅にカット。メッセージがシンプルに伝えられたと思う。場内が賑やかになればなるほど台詞を増やしてしまう傾向が私にはあった。 これを機にその辺が私自身大幅に変わった。それは後の千葉公演、京都公演で明らかになる。 ハナック上演後は次のカンパニー「燕屋」さんがあるので迅速にバラす。 お部屋がすっからかんになったところで二日間お世話になった会場内を掃除機で心を込めて掃除。ほこりの量に驚いた。 昼食後「人形劇団パン」さん、「燕屋」さん、「人形劇団くぐつ」さんを観劇。 くぐつさんの「びんぼうがみとふくのかみ」に私は泣いてしまった。 お二人の人間味溢れる演技や進め方に感動。戯曲も素晴らしい。人形の動きの構成も二人の「手」を最大限に活かし工夫していて面白かった。 ほんとうなら福の神が来ることのほうが喜ばしいことなのに、貧乏神と“あにさ”と“よめさ”のあいだに生まれた絆に子ども達が感動し、福の神が来たときにはその福の神を憎らしそうにする子どもたちの様子に、あ~この物語の本質的テーマが深く伝わっている…と感動してしまった。 たとえ貧乏神でも、お守りくださる神様に手を合わせる“よめこ”のたたずまいにまず感動してしまった。そして、“あにさ”と“よめこ”の互いを慈しみ尊敬しあうその会話にも何度も感動。本当の豊かさは福の神がやって来る前にしっかりと存在していて、あのラストシーンに訪れる幸福の様は、夫婦があたたかい絆でつくりだした結果に過ぎないというこの物語の根幹にある深い深いテーマをじっくり丁寧に見せてくださった。お二人に感謝です。 本当に幸せな気持ちで今年のいなさを締めくくりました。みなさんありがとうございました。 スタッフ関係者のみなさんはまだまだ事後処理が大変でしょうが頑張ってください。 静岡からの車での道中、東京で降りてしまいたいところをこらえて千葉を目指す。と言っても千葉の奥地。道のりは本当に長かった。気が狂うかと思うほどの長距離。しかし大変なのはドライバーさんだろう。次週公演の主催者宅に「お花のハナックの物語」の荷物を届けるのが目的。日曜の夕方に静岡を出て、到着したのは深夜。その後帰京と言う危険で無謀な計画を立てていたが、結局その主催者宅に一泊お世話になった。回りにホテルと名の付くものはラブホテルしかなかったので致し方ない。しかしそのお宅で頂いたカレーがあまりに美味しく涙が出るかと思うほどだった。カレーさん、僕たちを待ってくれていたんだね…とか言いながら真夜中ということもあり不思議なテンションになっていました。 ●11/20(月)~23(木) 静岡から千葉を経由しての帰京。到着は月曜の夕方。早速事務所にて溜まった郵便物に手を付け滞った仕事に取り掛かる。片付けを深夜まで。 流石に翌日は夕方まで眠らせてもらった。しかし夜には打ち合わせ。 貴重な都内滞在時間を利用して打ち合わせが続く。 新キャラクター「てるてるジョウくん」の人形、制作作業開始。実寸大の設計図も書き上げ、ご協力頂く人形作家さんに提出。海外公演の打ち合わせ、「星の王子さま」の音楽についての検討会議などもこの数日間のあいだに行われた。 ●11/24(金)~27(月) 24(金)千葉県入り。前日仕込み。植草学園短期大学の学園祭の出し物として、ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」をお呼び頂いた。お手伝いのも頂けたお陰で仕込みは順調に迅速に進んだ。この日は仕込みのあと、頼まれていた植草学園の人形劇サークルさんへのミニ講座を行った。30分くらいの間に、人形で劇を演じる上での注意事項と心得や工夫を実演を交えダダダダダッ!と語った。ホワイトボードがあったお陰で色々と説明が段取り良く行えた。彼らが実際に使用している人形を私が遣って説明したのが効果的だったのかも。「同じ人形とは思えない」と感激して頂けたので良かった。講座を設けた甲斐があった。 この日は一旦帰京。 25(土)朝早くに出発。この日はマネージャーさんも同行。 大人の(ご年配の)観客が多く、お子様は数名。そのせいか、かつてないハナックが演じれた。 子ども達の賑やかな声の中で演じるのも良いが、大人が多いため、じっくりと台詞を語ることが出来た。台詞も増え過ぎず、そしてクドイ繰り返しもなく、シンプルにメッセージを伝えることが出来たと思う。 どんな人の前で演じるときもこれがいいのだ!人の気持ちが入り込む余地をつくれる演技をせねば…!いつも心掛けていることでしたが、また改めて強く実感させられました。 そのまま千葉の親戚宅に滞在。 26(日)は祖父が設立した教会の礼拝に参加。私はクリスチャンではないが、この礼拝には出来るだけ参加したい。何を信仰するかは人それぞれだが、「祈りを捧げる」という行為は人間に無くてはならない行為だと思う。皆が祈るその様子はあまりに美しかった。 挨拶を求められ、急なことで一瞬戸惑ったが、皆に心からの感謝の気持ちを捧げた。そして、天国に居る祖父へのお礼の気持ちを込め、翌日、祖父が教会と共に設立した保育園で人形劇を上演することを伝えた。私は今、ただただ人形劇を上演することしか出来ない…。そう伝えた瞬間、何故か涙がこらえきれず溢れだしてきた。理由がわからない。何かが降りてきて体が泣いているような感覚だった。戸惑いはあったが決して不快な感覚ではなかった。 礼拝のあと介護施設に滞在中の96歳になる祖母に会いに行った。 目は閉じたまま、言葉はもう話すことは出来ないけど、伺った3人と祖母とのあいだで、充実したコミュニケーションが成り立っていたような気がする。 祖母が脳細胞のどこかで我々と会話をしているのをひしひしと感じた。 車椅子に座り、目を閉じ、うつむいたままでいる祖母をフロア一周のお散歩に連れ出す。 「みてみて、おばあちゃん、紅葉がきれいだね~、今日は良く晴れてるね~。」 見晴らしの良い廊下に介護福祉士さんが我々が座るための折りたたみ椅子を運び出し並べてくれた。気持ちの良い日差しの中で、しばらくおばあちゃんと一緒に過ごす。3人で小さく賛美歌を歌い始めた瞬間、それまで一度も開かなかった祖母の目蓋が開き始めた。 そして共に伺った方が祖母の手を強く握りお祈りを始めた。偉大な功績を納めた祖母への盛大な感謝の気持ちを込めた祈りの言葉はあまりにありがたく、込み上げずにはいられなかった。血縁関係もなく親戚でもない彼女がここまでの美しい言葉で祖母を賛美し、尊敬を込め敬意を払うその様子は、忘れられない瞬間となった。 僕は祖母の耳元で宮沢賢治さんが作詞・作曲した「星めぐりのうた」を歌った。 僕が「よだかの★星」を演じる前にいつも歌っている曲。 祖母はゆっくりと顔を動かし、筋肉の機能を精一杯駆使してリズムを取りながら聴いてくれた。 歌い終わりと同時に高く顔を上げまたうつむいた。 「また来ますからね。待っていてくださいね。」と耳元に話しかける。 うむっ、うむっ、と小さく力強くうなずいていたおばあちゃん。 おばあちゃん、いつも一緒にいられなくてごめんね。けれど僕精一杯人形劇頑張るからね…。 27(月)、祖父と祖母が今から60年程前の戦後間もないころに設立した「愛光保育園」で、祖父と祖母への感謝の気持ちを込めて、ダンボール人形劇場「お花のハナックの物語」を上演させてもらった。 祖父と祖母の方針が受け継がれているのか…、私立保育園にも拘らず遠方からもこの保育園に預けたいという方が続出し、入園待ちが何人も居る状態が今も尚続いている。凄いことだ。 前日仕込みをしておいたので当日はウォーミングアップのみ…のはずが照明のことで色々準備が手間取ってしまった。とは言え無事に上演が始まった。 開演前は迫力のあるダンボール人形達を怖がり座りたがらない子が何人かいた。大丈夫かな…と心配したが、始まってしまうとそんな心配はどこへやら…。子ども達は夢中になってハナックを応援し、近づく動物達に手を伸ばした。「ゾウさんの耳の風で草が揺れてるよ~」と言うハナックの台詞で子ども達は皆、こちらが何も言っていないのに自らが手を伸ばし草となり楽しそうに揺れた。これ頂き!今後は子ども達にこの場面で草になってもらおう。 それにしても保育園公演の一体感は独特なものがあり面白い。これは劇場にはないまた別な魅力だ。天井の高い保育園、一足早くクリスマス発表会用の舞台の幕やらなんやら仕込んでおいてくださっていたお陰で、また一段と舞台の雰囲気が盛り上がった。 夕方、上総一ノ宮を後にして東京へ戻る。 東京に戻ってすぐ、事務所にて仕事。週明けのため諸々の対応に追われた。 ●11/28(火)~30(木) 28(火)、午前中、花園神社で行われている酉の市へ。不動明王を信仰している私(私は酉年で、酉年生まれの守り本尊は不動明王)、そして「28日」はお不動さんの日、そして私の生まれた日付は「28日」、今年の酉の市の三の酉は「28日」、この日に酉の市に伺えることが嬉しい。 お仕事の繁栄を願う秋の風物詩。毎年、飾りの付いた「熊手」を買い替え、徐々に「熊手」を大きくしてゆく。全国規模での儀式かと思いきや、関東が中心のようだ。 3年前、3千円の小さな熊手から初め、徐々に大きくなってきた。 急激に大きくしてしまいたいところをグッとこらえて、一段階大きいものを今年も買う。 人の紹介で、今年は一生お付き合いしたい熊手屋さんと出会うことが出来た。 空を見上げ、高らかに精一杯、祈りの口上を言ってくれた熊手屋さん。本当に心を込めてくださっていたのがわかりました。来年も宜しくお願いします。 事務所のメンバー全員で一緒に伺えたことも嬉しかった。全員での昼食の後、東久留米の某工房にて、「毛皮のマリー」の人形の修理・改善作業。そして「てるてるジョウくん」の制作指示。 夜は市川の整体へ。かなり久しぶり。満足なウォーミングアップが出来ずに開演ということが度々あったこの数ヶ月間。また稽古や本番、足の怪我をかばいながら生活で、体が少々ゆがんでいる。治療はかなり痛かったが懸命に耐えた。 29(水)仕込みが夜中となるため、睡眠をお昼までとらせてもらう。 夜に出発。「毛皮のマリー」の荷物を積み込み、いざプーク人形劇場へ。 仕込み開始は22:00からスタート。 この劇場での「毛皮のマリー」の仕込みは慣れたもの。とは言え、それなりに時間はかかる。 アルバイトの方には終電で帰って頂き、照明さんと舞台監督さんと事務所スタッフが深夜1:00まで作業。全員、1台の車に乗りそれぞれの自宅に帰る。私を初めに降ろして頂いた。戻ってからも諸々の準備があり就寝は朝方になった。 30(木)午後いちで小屋入り。 早速明かり合わせ。キッカケのほとんどない芝居(はじめと終わりだけ)。とは言え、基本仕込みのニュアンスづくりに時間がかかった。この日はプランナーが居なくオペレーターさんとの作業。季節感やその日の湿度、空気感で光の量への私の注文はわずかに変わるし、仕込み図通りに照明具を吊ればいつもと同じになるとは限らない。結局は人の手が作業を行っているわけで、その光の在り方を決めるのに少々時間がかかった。わずかな違いで印象が変わる。 この日は大変嬉しい追加公演。お蔭様でお客様もたくさん。 今年最後の「毛皮のマリー」全編の上演。緊張した。これまでにない演技がまたいくつも出来た。 終演後は、追加公演特別アフタートーク。 充実した楽しい話が出来た。質問も頂き、ありがとうございました。 そして追加公演御礼パフォーマンスとして「ハンドラブ」を上演。 「毛皮のマリー」のセットの真ん中に置かれたケコミ「遣い手が隠れるつい立」が妙にハマっていてお洒落な雰囲気に。「ハンドラブ」を上演できたことは私自身も嬉しかった。 これからいくつかのパーティーでもこの「ハンドラブ」が登場する予定だ。 いつもは後片付けのあと、ロビーにて交流会をするのだが、この日は皆翌日の仕事が早く、私も朝8時の新幹線だったので、スタッフ陣とロビーで丸くなって立ち飲み。しばし楽しい時間を過ごした。 2006年「夏~秋」その3へ続く。 |
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